無断配信にニセ記者…高校野球で写真・動画のSNS投稿は禁止?
高校野球で、試合中の写真や動画を交流サイト(SNS)に投稿することを規制する動きが強まっている。プロ野球では今季から、プレー中の選手の写真や動画のSNS投稿を禁止し、波紋を呼んでいる。高校野球でも地方大会から制限がかけられている場合が多い。背景には高校野球ならではの事情がある。
◇スコアボードやトイレに禁止を明示
「撮影した画像や動画をSNSなど不特定多数が視聴できる媒体に投稿しないでください」
甲子園大会出場を懸け、各地で熱戦を繰り広げている地方大会。球場内では試合前やグラウンド整備時などに、こうしたアナウンスがなされる場面が目立つようになってきた。
5月に茨城県で行われた春季関東大会では、スコアボードにも同様の注意文を表示し、観客にルール順守を促した。
宮崎県高校野球連盟は5月に県内で開催した招待試合で注意を呼び掛けた。今春の県の春季大会では写真や動画がネット上に出回っていると通報があった。
センバツ大会優勝の横浜(神奈川)と明徳義塾(高知)という知名度の高い両校を招く試合のため対応策を検討し、SNS上に投稿しないよう求める文書を、球場内のチケット売り場やトイレ、スタンドなど約50カ所に掲示した。
◇禁止区域から無断でライブ配信
SNSへの投稿制限を含む地方大会に関するルールはそれぞれ、大会を運営する各地の都道府県高野連が定めている。
各連盟とも、個人で楽しむ範囲の撮影は規制対象にしていない。ただ、グラウンド上の選手に限らず、スタンドの応援団も含めて、観客が撮影したものをSNSに投稿することは不可としている。観客らに対しては「肖像権を巡るトラブルを防ぐため」と説明していることが多い。
さらに、規制する理由に挙げられるのが商業利用の禁止だ。
再生数に応じて収益を得られる動画投稿サイトに試合の映像を流すことや、表示回数(インプレッション)に応じて広告収入を得られる仕組みのあるX(ツイッター)への投稿で収益を得ることは、学生野球や野球部などの商業利用を禁じる日本学生野球憲章に反する、との考えがある。
ほっともっとフィールド神戸であった昨秋の近畿大会では、試合の映像がユーチューブで無断でライブ配信されていた。撮影者が禁止区域で撮影していたこともあり、やめるように促したが、難航した。これをきっかけに、今春から注意喚起の放送を流すことにした。
商業利用の禁止に加え、中傷のリスクを避ける狙いもある。
茨城県高野連の榎戸努専務理事は「チームへの批判や(選手個人に対する)中傷などはどんどんエスカレートしていく」と禁止の理由を語る。
判定を巡る中傷を避けるため、選手に限らず、審判を守る視点を挙げる連盟もある。
愛知県高野連は「偵察対策」も理由に挙げている。愛知ではビデオ撮影で選手の動きを記録することなどを「偵察行為」として禁じており、プレーの動画が公開されれば偵察と同じ情報が得られることになると考えるためだ。
主催者の許可なく第三者に公開する目的での写真、ビデオ撮影は認めておらず、鶴田賀宣(よしのり)理事長は「チームからも(動画の投稿が)迷惑だという声があった。連盟として偵察を禁止している」と語る。
◇ニセ記者まで登場
ただ、禁止のルールがありながらも守られていない例は散見される。
関東大会では健大高崎(群馬)の右腕・石垣元気投手が156キロを計測するなど注目を集め、関連する画像や動画がネット上で目立った。
しかし、和歌山県高野連の高津亮専務理事が「投稿している人が分かった場合は注意するが、なかなか追いついていない」と話すように、投稿者の特定は難しく、現状としては「お願い」にとどまる。
京都府高野連の米川勲参与は「規制を強めたからか、偽物と思われる新聞社の腕章をつけて(スタンドの)女子生徒を撮影する人まで現れるようになった。あの手この手で来るので、いたちごっこになっている」と苦悩を明かす。
高校野球の試合を巡るインターネット上への画像や映像の投稿について、大阪体育大の藤本淳也教授(スポーツマーケティング)は「選手が学校という枠組みの中で活動している教育的な視点からみても、一定の制限は選手らを守る意味で大切だ」と話す。
一方で、「全てを規制しても必ず違反がゼロにはならないし、ファンあっての高校野球という側面があるのも事実だと思う。ある程度のルールを定めて許容しつつ、観客側のICT(情報通信技術)モラルを上げていくということが重要になるのではないか」と指摘している。【吉川雄飛、長宗拓弥、高橋広之、林大樹】
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