<1分で解説>参政党の憲法案はどんな内容? 「創憲」の狙いって?

2025/07/16 16:46 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 参政党が独自の憲法構想案を発表し、「創憲」を訴えています。現行の日本国憲法にあるのに、参政党案には盛り込まれていない権利がいくつもあることが注目されています。

 1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「参政党の憲法案にない権利」について解説します。

Q 参政党って憲法案をつくってるの?

A 参政党の憲法案は、現行の日本国憲法とは違う新しい憲法を作ろうという考え方で、「創憲」と呼んでいます。現行憲法にあるいくつかの権利が盛り込まれていないのが特徴です。

Q 「法の下の平等」が入っていないって聞いたよ。どういう意味?

A 「法の下の平等」とは、すべての人が平等に扱われ、人種や性別、身分などで差別されないという権利です。日本国憲法14条に書かれています。

 参政党の憲法案には、「法の下の平等」にあたる条文がありません。現行憲法で保障されている平等権が盛り込まれていないのです。

Q 「表現の自由」や「職業選択の自由」もなくなったとか。

A 現行憲法の19~22条にある「思想・良心の自由」「信教の自由」「表現の自由」「居住、移転、職業選択、国籍離脱の自由」も、参政党案には書かれていません。

Q どうして「表現の自由」って大事なのかな。

A 「表現の自由」は、自分の意見を自由に言ったり、情報を発信したりできる権利です。戦前の日本では政府による言論統制があったため、現行憲法では特に大切にされています。

Q 他にはどんな権利が書かれてないの?

A 参政党案には、刑事事件で容疑者や被告が守られる権利を定めた条文もありません。たとえば「裁判を受ける権利」や「黙秘権」などがなくなっています。

Q 「黙秘権」ってどんな権利?

A 「黙秘権」とは、警察や裁判で事件に関して話したくないことは話さなくてよいという権利です。現行憲法38条で保障されています。

Q どうして参政党はこうした権利を入れなかったのかな。

A 参政党の解説本には「個人の権利が、結局は私益にすぎず」という考え方が書かれています。こうした発想が背景にあるようです。憲法にどんな権利が必要か、私たち一人一人が考えることが大切です。

毎日新聞

政治

政治一覧>