悪石島の住民16人が帰島へ 十島村長「避難生活に疲れた住民も」

2025/07/16 19:00 

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 強い地震が続く鹿児島県十島村の久保源一郎村長は16日記者会見し、トカラ列島の悪石(あくせき)島から鹿児島市内に避難した住民16人が、同日深夜の村営フェリーで島に帰ると発表した。避難した住民の帰島は初めて。久保村長は「慣れない避難生活に疲れた住民もいる」と帰島に理解を示した。

 村によると、16人は未就学~80代の男女で、島にある村立小中学校の児童4人のほか、農林水産業や自営業、小中学校の教員らという。帰島にかかる交通費は公費で賄われる。

 村は、震度4以上の地震が5日間発生しなければ帰島の判断をする方針を10日に示したが、翌11日から連日、悪石島で震度4を観測し、16日も複数回あった。

 こうした中、住民からは「島での生活は不安だがホテル暮らしが長引くのもきつい」「島に1人で残って牛の世話をしている家族が心配だ」といった声が上がったという。久保村長は「島外避難はあくまで自主的な避難。帰りたいという住民の思いや事情もくんであげたい」と話した。

 一方、村によると、16日は新たに2人が避難。今月4日以降の避難者は、帰島する16人や隣の小宝(こだから)島も合わせて計67人となった。【取違剛】

毎日新聞

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