参院選で大敗しながら続投を表明した石破茂首相に退陣要求が相次ぐ中、市民が首相を激励する集会が２５日夜、東京・永田町の首相官邸前で開かれた。参加者の多くは野党支持者とみられ、「民主主義を守れ」「石破は辞めるな」と声を上げた。

　集会は午後７時ごろから約１時間開催。大勢の参加者が「踏ん張れ」と書いたプラカードや石破氏の似顔絵を掲げ、「国民主権を守れ」などとシュプレヒコールを上げた。参加者の間では「石破コール」がわき起こった。

　集会は、Ｘ（ツイッター）で「＃石破辞めるな」のハッシュタグとともに開催案内があった。その投稿には「石破首相は近年の自民党にはまれな『言葉が通じる』政治家です」「抗議でもほめ殺しでもなく、激励です」などと記されていた。

　Ｘを見て参加したという東京都清瀬市の女性（６１）は「自民党は支持しないが、石破さんは言葉に責任を持ってものを言う政治家なので励ましに来た」と語った。

　練馬区の会社員男性（６０）は「コメの価格や米国の関税を（当初より）引き下げた」と強調し、「参院選に負けたのは石破さんのせいではない。石破さんは信用できるので続投してほしい」と話した。

　交流サイト（ＳＮＳ）では、保守派の高市早苗前経済安全保障担当相が後任の首相に就くことを懸念する人たちによる「石破辞めるな」の投稿が拡散している。【西本紗保美】