絶滅危惧種コアジサシのヒナ、5年ぶりに巣立つ 博多湾飛来の渡り鳥

2025/07/26 13:01 

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 博多湾に面した福岡市東区西戸崎の海岸で、絶滅危惧種の渡り鳥、コアジサシが5年ぶりに子育てに成功した。

 全長28センチ前後のカモメ科の水鳥で、スマートな白い体と黄色のくちばし、黒い頭部が特徴。海面に頭から飛び込んで、小魚を捕らえる。日本には4月ごろに飛来し、9月ごろには豪州などの南半球へ渡っていく。

 保護活動を続ける環境NPO「ふくおか湿地保全研究会」の服部卓朗代表によると、6月中旬から集団繁殖地(コロニー)を作り始め、約40個の巣が確認された。福岡市港湾局や西戸崎の自治会と協力して繁殖地をロープで囲んで「保護区」とし、立ち入り自粛を呼びかけた。

 その後、7月上旬にヒナ数羽がふ化。厳しい暑さの中でも同25日までに5羽の巣立ちを確認した。

 服部さんは「ここ数年はカラスなどの外敵に襲われて、なかなか子育てがうまくいかなかった。貴重な繁殖地を守っていきたい」と話す。【野田武】

毎日新聞

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