知床の国道でエゾシカの雄をヒグマが襲う 「動けないシカは通報を」

2025/07/27 17:46 

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 世界自然遺産に登録されて20年の北海道・知床で27日、立派な角を持ったエゾシカの雄をヒグマが捕食のため襲っている映像が撮影された。このヒグマは、駆けつけた町の職員によって駆除され、襲撃されたエゾシカも回収された。

 北海道警中標津署によると、襲撃が目撃されたのは、同日午前10時20分ごろ。北海道羅臼町礼文町の国道335号上で、人家からは約50メートルほどの距離。目撃した町民は「暴れるエゾシカの首筋にかみついて、道路外の草むらに引き込もうとするが、小柄なせいか道路外に持ち上げられず、鳴きわめくシカを道路上で少し食っては襲撃を繰り返していた。車は上下線とも渋滞し、車を降りてスマートフォンなどで撮影する人もいて、危険だった」と話す。関係者によると、駆除されたのは体重95キロの雌だった。

 知床財団の山中正実・特別研究員は「ぼんやりしていて襲撃されたのか、交通事故で弱っていたシカかどうかは不明」とした上で、「動けなくなったシカがいたら、ヒグマがすぐに餌付いて危険なので関係機関に通報してほしい」と注意を呼びかける。【本間浩昭】

毎日新聞

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