フィリピン残留日系人の男性訪日へ 混乱で無国籍、政府が支援
日本人の父を持ちながら、太平洋戦争後にフィリピンに残された残留日系人の竹井ホセさん(82)が6日、初めて日本を訪れる。戦争の混乱で両親の婚姻記録などがなく、無国籍になった日系2世。政府は竹井さんのような日系2世の日本国籍取得を支援するため、国費で訪日費用を負担する。年内にも別の日系人が日本を訪れる予定で、外務省幹部は「(高齢化で)残された時間は短く、なるべく多くの希望をかなえたい」と話している。
竹井さんは戦争中の1943年5月、ルソン島中部サンパブロ市で日本人の竹井ギンジロウさんとフィリピン人のベニタ・アブリルさんの間に生まれた。父はフィリピン国有鉄道の技術者だったが、母親が妊娠中に消息不明に。その後はベニタさんが再婚したフィリピン人の父親の姓を名乗り、日本人の血を引くことで苦労しながら大学に進学。教師や郵政公社職員として働いた。
今回は父の故郷の大阪府を訪れた後、親族と面会して今後の手続きに必要な情報を集め、10日に帰国する。竹井さんは「日本の支援で父の故郷を訪れ、親族に会えるかもしれないと興奮している。まずは父のお墓をお参りしたい。これが夢の実現の始まりとなりますように」と期待する。
フィリピンには戦前、多数の日本人が麻やココナツの栽培などで移住。フィリピン人女性と結婚したが、戦後の引き揚げや戦死で大勢の妻と子供が残された。戦後の反日感情の高まりで父親に関する書類を処分し、日本との関係を隠して多くが無国籍になった。
外務省は95年から日本国籍取得の支援を開始した。委託団体の調査で残留日系人は当初3800人以上で、うち1600人以上が日本国籍を取得。2100人以上が未取得だが、今年3月15日時点で存命なのは134人。その後数人が亡くなり、日本国籍取得希望者は50人弱という。石破茂首相が4月にマニラで竹井さんを含む3人と面会し、訪日支援を決めた。【田所柳子】
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