私立大の定員割れ、53% 前年度から改善 18歳人口増で

2025/08/08 17:00 

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 4年制の私立大で、2025年度の入学者が定員を下回ったのは全体の53・2%にあたる316校だったことが8日、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が公表した調査結果で判明した。定員割れの率が過去最高だった前年度から6・0ポイント改善しており、18歳人口の増加が要因とみられる。

 私学事業団によると、私立大全体の入学定員充足率は前年度比3・42ポイント増の101・61%となり、3年ぶりに100%を上回った。規模別では、収容定員4000人未満の小規模大の充足率は平均で92・93%で、初めて9割を下回った前年度から4・07ポイント改善した。

 入学者数は1万6107人増の51万839人となり、統計を開始した1989年度以来で最多となった。25年度の18歳人口が109万562人で前年度から2万7111人増えたことに加え、授業料減免などの国の修学支援制度が拡充されたことで、経済的な理由で大学進学を断念する世帯が減ったことなどもあるとみられる。

 一方で、27年度には18歳人口が再び減少に転じる見通しで、大学入学者も減少することが見込まれる。私学事業団の担当者は「今回(定員割れの率が)改善したからといって、その傾向が続くわけではない。引き続き動向を注視していく」と話した。【木原真希】

毎日新聞

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