「温暖化なければ発生し得ないレベル」 7月下旬の記録的高温を分析

2025/08/08 18:34 

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 国内の異常気象に気候変動がどう影響したかを分析する東京大や京都大の研究者らの団体「極端気象アトリビューションセンター」は8日、7月下旬の記録的な高温は「地球温暖化の影響がなければ発生し得ないレベルだった」とする分析結果を公表した。特に北日本の高温は人為的な温暖化によって発生確率が34倍に高まっていたという。

 7月は24日に北海道北見市で39度を観測するなど北日本で猛烈な暑さとなったほか、30日には兵庫県丹波市で国内観測史上1位(当時)を更新する41・2度を記録。分析によると、18~26日の北海道上空と、22~30日の日本上空各1500メートルの平均気温は、7月の同時期では1950年以降最も高かったという。

 センターは「イベント・アトリビューション」という手法で、この高温と温暖化の関係を推計。その結果、人為的な温暖化が起きていないと仮定した場合、日本上空がこれほどの高温になる確率は0・0087%(約1万1472年に1回)、北海道上空は0・1%(約955年に1回)と見積もられ、温暖化がなければほぼ起こり得ないレベルだったと結論づけた。

 高温の原因は、ヨーロッパ方面から流れ込むジェット気流やフィリピン東海上の活発な対流活動の影響で、下層から上層まで背の高い太平洋高気圧が日本列島を覆ったためと考えられるという。【阿部周一】

毎日新聞

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