パイロット「エンジン不調」訴え脱出 空自F2戦闘機墜落で原因調査

2025/08/08 18:52 

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 航空自衛隊のF2戦闘機1機が茨城県沖に墜落した事故で、操縦していた30代の1等空尉が緊急脱出する際、エンジンの「不調」と「推力の低下」を管制官に伝えていたことが判明した。中谷元・防衛相が8日、閣議後の記者会見で明らかにした。

 事故は7日午後0時半ごろに発生。空自百里基地(茨城県)所属のF2が訓練飛行中、同基地の北東約150キロの太平洋上に墜落した。1等空尉は緊急脱出し、命に別条はなかった。

 空自は、海上自衛隊や海上保安庁とも連携して、フライトデータレコーダー(飛行記録装置)や水没した機体の捜索、漂流物の回収を進め、空自の事故調査委員会で墜落原因を調べる。

 空自では5月にも、T4練習機が農業用のため池に墜落し、隊員2人が死亡する事故が起きた。中谷氏は会見で「国民に再度不安を与えたことを大変遺憾に思う。しっかりと事故原因を究明し、必要な対策を取る」と述べた。陸海空自衛隊に航空機の安全管理の徹底などを指示したという。

 今回の事故を受けて空自は、外国機への緊急発進(スクランブル)などの任務を除き、F2の訓練飛行を当面見合わせる。【宮城裕也、中村紬葵】

毎日新聞

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