路肩崩落、車も川に…住民「ここまでの豪雨は初めて」 鹿児島大雨

2025/08/08 16:56 

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 線状降水帯が発生し、8日未明から記録的な大雨が続いた鹿児島県。民家が倒壊し、市街地が広範囲で浸水するなどの被害が出た同県姶良市にある建設会社の専務、岩下裕一さん(41)は「ここまでの豪雨は初めてだ」と不安そうに話した。

 岩下さんによると、7日午後6時ごろから急に雨風が強まって雷も鳴り出し、8日午前5時ごろまで豪雨が続いた。家族4人で不安な夜を過ごしたといい、「窓に雨が打ち付け、カーテン越しにも雷の光を感じた。生後4カ月の子どもも落ち着かなくて寝付けないようだった」。

 8日午前6時半ごろに自宅を出て姶良市内の会社に向かったが、同市加治木町の網掛川近くでは、国道10号の片側1車線とコンビニエンスストアの駐車場が冠水していた。会社前の国道10号と市道が交差する網掛橋交差点付近では、市道の路肩が約100メートルにわたってガードレールごと川に崩落していた。設置されていた信号機2台も基礎ごと川に落ちていた。

 会社付近では他にも道路の路肩が川に落ち、停車していたとみられる車1台が川に落ちたり、会社の駐車場が50センチほど冠水したりするなどの被害が見られた。会社から約3キロ北にある市立竜門小学校近くの橋では、上流から流されてきたとみられる倒木が積み重なって通行できない状態になっていた。

 岩下さんは「気になるからといって、地域の人たちが危険な所を見に行かないようにするためにも写真や動画を撮影した」といい、土砂や倒木の除去作業などにあたる社員たちにも安全を確保したうえで対応するよう伝えたという。「昼ぐらいには雨も落ち着いてきたが、今は被害が出ていなくても、降雨の影響で山が崩れやすい状況にあるので心配だ」と不安を口にした。【田崎春菜】

毎日新聞

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