「どこもかしこも火の海」 艦砲射撃80年、岩手・釜石で戦没者追悼
80年前に米英軍の軍用艦による「艦砲(かんぽう)射撃」を受けた岩手県釜石市で9日、市主催の戦没者追悼・平和祈念式が開かれた。釜石は2回の艦砲射撃で計782人が犠牲になった。参列者約150人は体験者の手記の朗読を聞きながら恒久平和を願った。
製鉄所がある釜石は戦時中、米英など連合国の攻撃対象とされた。1945年7月14日と8月9日の日中にそれぞれ約2時間にわたって艦砲射撃を受け、計5300発以上の砲弾が製鉄所や釜石駅周辺、製鉄所の社宅街に撃ち込まれた。
小野共市長は式辞で「釜石は日本本土で唯一2度艦砲射撃は受けた町。恒久平和に取り組むことは釜石の使命だ」と訴えた。その後、体験記録集に収録された手記の朗読があった。
手記を書いた和田乙子(おとこ)さん(故人)は当時女学校の生徒で、釜石製鉄所に勤労動員されていた。7月の艦砲射撃の際、隠れていたトンネルから外に出た時の光景を「どこもかしこも火の海。何もできない惨憺(さんたん)たるもの」と表現。北隣の大槌町の自宅に帰り着くと、母親は「戻ってくると思わなかった」と言って大粒の涙を流したという。
手記を読み上げたのは市内の朗読グループ「颯(かぜ)・2000」の佐久間良子さん(69)で、会場には佐久間さんの母、前川イツ子さん(95)の姿があった。
前川さんは手記を残した和田さんと同級生で、共に艦砲射撃を体験した。前川さんは取材に「砲弾の音は言葉で言い表せないほどのすさまじさだった」と振り返った。佐久間さんは「つらい経験をしながら生き抜いた人や犠牲者のため、語り継いでいかなければならない」と語った。【奥田伸一】
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