ワンちゃんも、遺族と一緒に故人をお見送り――。香川県坂出市の坂出葬儀社は、愛犬が通夜から葬儀まで立ち会える家族葬プラン「わんハートセレモニー」を始めた。ホール内に専用スペースを設け、愛らしい特製の犬用喪服も準備しており、「正装」で最期の別れに臨んでもらう。

　同プランは６月上旬から受け付けを開始し、対象は体重１０キロ以下の中・小型犬。「葬儀の間、愛犬を預ける場所が見当たらない」、「愛犬も葬儀の場にいてほしい」などの声を受けて考案した。

　同社が運営する「家族葬ホールなごみ」（坂出市）２階の一部（約１５平方メートル）を、遺族と愛犬が過ごせるよう専用のフロアに改装した。水飲み場や簡易トイレも備え、愛犬とストレスなく大切な時間を共有してもらう。

　葬祭ディレクターの宮本良平課長（４７）は「昔の価値観なら、動物と一緒の葬儀など常識外れだったかもしれないが、時代のニーズを考えて挑戦した。まずは愛犬から始め、愛猫の可能性も探りたい」と話す。蒲田（かまだ）辰雄専務（４８）も「地元の葬儀社として、新しい地域貢献を考えていきたい」と語った。問い合わせは、同社（０８７７・５６・２６２６）まで。【広田正人】