3割が「謝り続けた」 カスハラ対応調査 千葉・船橋市、通話を録音へ

2025/09/04 09:29 

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 千葉県船橋市は、職員の4人に1人が過去3年間以内に行政サービスの利用者から「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を受けたとの調査結果を発表した。市は職員からの提案を踏まえ、電話機に通話録音装置を設置するなどの対策を進める。

 カスハラは客が従業員に理不尽な要求をしたり暴言を吐いたりすることで、行政サービス分野でも社会問題化している。

 市はカスハラの実態把握と対策を検討するため、7月に職員計5936人を対象にアンケートを行い、3392人(回答率57%)から回答を得た。

 被害の内訳は「継続的な、執拗(しつよう)な言動」が最多の71%で、「威圧的な言動」63%、「精神的な攻撃」54%と続いた。カスハラのきっかけは「行政サービスの利用者・取引先の誤認等が一因」が78%、「利用者等の不満のはけ口、嫌がらせ」が70%と多かったが、「職員の対応が一因」(19%)という回答もあった。

 4割が「同時に複数人の職員」で対応したが、28%が「謝り続けた」、4%が「要求に応じた」という。必要な対策には「カスハラ事例とその対応の情報共有」59%、「通話録音装置の設置」59%、「マニュアルの策定」44%が上がった。

 市人事課は今後、電話機に通話録音装置を設置するほか、カスハラ事例とその対応などを盛り込んだマニュアルを策定する。【石塚孝志】

毎日新聞

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