歌手・橋幸夫さん死去 82歳 「いつでも夢を」で日本レコード大賞

2025/09/05 19:42 

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 「潮来笠」「いつでも夢を」で知られる歌手の橋幸夫(はし・ゆきお、本名・幸男=ゆきお)さんが4日、肺炎のため亡くなった。82歳。通夜は9日午後6時、葬儀は10日正午、東京都文京区小石川3の14の6の伝通院。喪主は妻真由美(まゆみ)さん。

 東京生まれ。中学生の時から作曲家の遠藤実に師事し、高校1年生の時にビクターのオーディションに合格。作曲家、吉田正の門下生となった。1960年、「潮来笠」でデビュー。同年、NHK紅白歌合戦に初出場した。62年には俳優の吉永小百合さんとのデュエット「いつでも夢を」が大ヒットし、日本レコード大賞を獲得。翌年には吉永さんとそろって出演した同名の映画も公開され、人気を博した。66年の「霧氷」でも同賞を受賞。西郷輝彦さん、舟木一夫さんとともに「御三家」と呼ばれるスター歌手となった。

 ほかに「おけさ唄えば」「江梨子」「恋をするなら」「雨の中の二人」「恋のメキシカン・ロック」「子連れ狼」などヒット曲多数で、発表した曲は500曲を超える。股旅演歌から音頭物、都市歌謡、洋楽系ダンス音楽までジャンルを問わず、大衆の要求を視野に入れた歌謡曲を表現し一時代を築いた。

 俳優としても、「喧嘩富士」「舞妓はん」をはじめ、自曲のヒット作が主題歌となった映画で活躍。テレビドラマの「ご存じ金さん捕物帳」や「水戸黄門」などにも出演し、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」には本人役で登場した。

 90年、認知症の母との生活をつづり高齢化社会の問題点を指摘した「お母さんは宇宙人」がベストセラーになった。

 喉の衰えを理由に2023年に歌手活動を引退したが、翌年復帰。25年5月、事務所を通じて、アルツハイマー型認知症を発症していることを公表していた。

毎日新聞

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