学童の不正問題 栃木市議会が百条委を設置 2010年6月議会以来

2025/09/05 18:33 

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 栃木市議会は5日、学童保育の運営委託料の水増し請求や補助金を受けた施設改修の一部未施工などが発覚した学校法人「陽光学園」(佐山和章理事長、7月に解散認可)に対する補助金の交付、執行状況などを調べるため、地方自治法百条に基づく特別調査委員会(百条委)の設置を決めた。

 同法人は、「ひまわり学童クラブ」の名称で、藤岡校、岩舟校の2カ所を運営していたが、藤岡校は開設から3年、岩舟校は1年で、いずれも今年3月に事業停止した。藤岡校では2024年度の運営委託料約150万円の水増し請求が発覚。22、23両年度に交付された計2400万円の開設時補助金については、照明器具の未設置など藤岡校で87万円、岩舟校で32万円分の計119万円分の未施工が市の独自調査で判明した。

 ただ、市の調査は見積書や請求書などの書面と現況を確認するだけで、業者への聞き取りはできず、議会からは限界を指摘する声が上がっていた。また、事業停止後の旧岩舟校で、同学園のグループ企業「ティ・エイチ・エス」(同社長)が補助金で改修した施設を使って、「民と民の契約による私塾的なもの」(市こども未来部)を運営していることを市も把握しており、補助金の使われ方の面でも疑義が出ていた。

 同市議会では民生常任委員会で所管事務調査をしているが、退職職員や民間事業者への事実確認なしには究明が進まないとの意見があり、この日の本会議で、議員13人が連名で百条委の設置を求める動議を提出。14対11で可決された。同市議会での百条委設置は10年6月議会の「オリン晃電社工場跡地土地購入」問題以来となる。【太田穣】

毎日新聞

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