エサのバナナは月250キロ、円山動物園を支える「寄付」 北海道
農作物の価格高騰の波が動物園にも及んでいる。飼育する動物たちのエサが値上がりし、確保に苦慮する札幌市円山動物園に手を差し伸べたのは、食品専門商社のANAフーズ(東京)と青果卸売りのスノウプル札幌(札幌)。7月に商品にできないバナナ、リンゴなどの無償提供を始めた。ゾウやサルの好物で月に250キロが消費されるバナナは、すべて寄付でまかなわれるようになった。
今年は天候不良によって収穫量が安定せず、農作物の価格が高くなっている。果物は例年に比べて、家庭に届くもので2割ほど、動物たちのエサで1割ほど割高という。
動物のエサは、動物園にとって必要不可欠だ。円山動物園は、エサ代が全予算の1割弱を占めており、価格高騰が運営に及ぼす影響も小さくない。動物園は価格交渉をしたり、安価な仕入れ先を探したりしてなんとかやりくりする中、ホッキョクグマの飼育で支援を受けるコープさっぽろ(札幌)に相談。コープが取引のある2社に協力を呼びかけた。
3社で協議し、輸入時の検査で袋から取り出されたり、大きさが規格外だったりして廃棄や産地返品処分となっていた果物の活用を決定。フードロス削減の取り組みの一つとして、動物園をサポートすることになった。
3社によると、1カ月あたり、ANAフーズはバナナ(ベトナム産、250キロ)、スノウプル札幌はリンゴ(青森産、150キロ)とミカン(静岡県三ケ日産、200キロ)、サツマイモ(大分産、数量調整中)を提供。主にゾウやサル、ヒグマに与えられている。園内の動物が口に入れるバナナのすべて、ミカンの3分の2が寄付品になったという。
ANAフーズの園田明央(あきお)札幌支店長は「商品として扱えないだけで、人間が口にしても問題のない食べ物。協力できてうれしい」。スノウプル札幌の大柄和敏社長は「ずっと協力を続けたい」と話す。白水(しろうず)彩園長は「エサの量は価格が高騰しようと減らせない。たくさん食べるので助かる」と頭を下げる。
4日には秋元克広市長が3社に継続寄付に対する感謝状を手渡した。秋元市長は「大変ありがたい協力。動物園が気候変動の影響を学ぶ場にもなる。多くの市民に知ってほしい」と述べた。【水戸健一】
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