「知らないドアも押し開けて」 イチローさん、高校生に夢へのエール

2025/09/07 10:45 

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 日米の野球界で活躍し、両国で野球殿堂入りを果たしたイチローさんと神戸市の高校生とのトークイベントが6日、市内であった。イチローさんは海外への進学や女子野球の発展など、6人が語る夢に丁寧に耳を傾け、「海外に出れば一人一人の行動が日本人(全体)の印象となる。率先して、行動で示して」とエール。「知らないドアもどんどん押し開けて、たくさんの失敗から学んで夢をかなえて」と呼びかけた。

 催しは、イチローさんがかつて所属したオリックス・ブルーウェーブの本拠地で、大リーグ時代もシーズンオフには頻繁に訪ねたという神戸市の市役所などの主催。2月に市の担当者のメールを受けたイチローさんが、多くが初めて人生の岐路を経験する10代後半の世代へのヒントとなればと、高校3年生とのトークを提案した。

 この日は応募した約7800人の中から選ばれた約500人が参加、市内の高校や高専に通う3年生6人が舞台に立ち、イチローさんと対談した。

 強豪・神戸弘陵学園高の女子硬式野球部で今夏まで主将を務めた山本詠(うた)さん(17)は「部員100人を率いる主将となり、純粋に野球を楽しめなくなった」と相談。イチローさんは、日本チームのリーダー的存在だったワールド・ベースボール・クラシック(WBC、2006、09年)の経験を紹介し、「自身に結果が出ない時も、球場に一番早く来るなど前を向く姿勢を示し続けたことで周囲がついてきてくれた。そうした姿勢を大事にして」とアドバイスした。【稲生陽】

毎日新聞

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