関東大震災混乱下の朝鮮人虐殺 330人が犠牲者追悼 横浜

2025/09/07 08:45 

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 関東大震災(1923年9月)の混乱下で虐殺された神奈川県内の朝鮮人を追悼する催しが6日、市営久保山墓地(横浜市西区)の朝鮮人慰霊碑前で開かれた。県内で起きた虐殺の真相究明や追悼に取り組む市民団体が主催。国会議員や地方議員も含めた約330人が参加し、黙とうや献花をして犠牲者を悼んだ。

 震災後は「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「暴動を起こしている」といったデマが飛び交い、多くの朝鮮人が殺害された。慰霊碑は、虐殺を目にしたという震災当時小学2年生だった石橋大司さん(故人)が「日本人として決して忘れてはならぬ歴史的事実を残したい」と74年に建立した。

 この日の追悼会では、慰霊碑前で在日コリアン3世の曺和仙さん=横浜市=が追悼の舞をささげ、神奈川朝鮮中高級学校の生徒による合唱も行われた。

 主催した市民団体代表の山本すみ子さん(86)はあいさつで、今夏の参院選でデマも含めた排外主義的な主張が目立ったことを挙げ「外国人を敵視している状況は『朝鮮人なら殺して構わない』という当時の構造と似ている。危機感がある」と訴えた。

 献花をしにきたという川崎市のケアマネジャー、嶌田悦子さん(69)は「ヘイトスピーチや外国人排除の動きが最近特にひどく、102年たっても日本の状況が改善されていない気がする。無関心なのはこの問題に手を貸すことと同じ。しっかり反省しないといけない」と話した。【矢野大輝】

毎日新聞

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