閉園まで12日、違法建築物118棟撤去されず 札幌の民間動物園

2025/09/18 12:52 

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 札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」が市街化調整区域で許可を得ずに開設されていた問題で、市は18日、都市計画法違反にあたる建築物の撤去状況確認のための立ち入り検査を行った。運営する「サクセス観光」(札幌市)が作業を進めているが、獣舎やフードコートなど118棟(速報値)が確認された。市は除却命令を含めた対応を検討しており、指導を続ける。

 市によると、違法建築物は2024年3月時点で156棟あり、12月に183棟に増えた。市の指導を受け、運営会社は25年2月に、29年末までに撤去を終えるとする計画書を提出。前回検査の5月に133棟まで減っていた。今回の検査で新たに撤去が確認された15棟は、主に獣舎や物置だった。

 市開発指導課の坪田修一課長は「まだ多いという印象。5年かけての撤去を決してよいと思っていない。速やかな対応を求めたい」と話した。

 ノースサファリは9月末に閉園予定で、飼育動物の扱いも懸念されている。市は5日の立ち入り検査で、哺乳類209匹、鳥類79羽など計319匹を確認。運営会社の計画書によると、24年末時点で640匹いた動物のうち210匹を25年3月末までに搬出しており、26年3月末までに100匹弱を移すとしているが、残りの計画は明らかにされていない。

 運営会社は市に対し、「閉園後は作業の進みが早くなる。獣舎の撤去は動物のストレスに配慮し、できる限り進めている」などと説明しているという。【水戸健一】

毎日新聞

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