「貯金すっからかん」→火災現場で窃盗 元警察官、法廷で後悔語る
火災現場の捜査中に見つけた現金約640万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた元警視庁捜査1課警部、政野亮二被告(51)に対し、検察側は1日、東京地裁(鈴木悠裁判官)で開かれた公判で「立場を悪用した悪質な犯行」として懲役3年を求刑した。被告は「倫理観がまひしていた」と謝罪し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は16日。
検察側は論告で、被告は2022年10月~25年1月、東京都内で起きた3件の住宅火災現場で捜査中に見つけた現金を盗んだと指摘。火災現場の捜査経験が豊富なことから火災犯捜査第1係長を務め、遺留品に触れても怪しまれない立場だったとし「常習性が認められる」と非難した。弁護側は被告が真摯(しんし)に反省し、被害者らに弁済していると主張した。
被告は被告人質問で「成功体験があった」などと現金を盗み続けた心境を明かした。
被告の供述によると、年間に現場に出動した火災の件数は100件程度。約9割が事件性がうかがわれず、22年10月に初めて火災現場の遺留品の現金に手を付けた。金額は340万円。「無理をして住宅ローンを返した後で、貯金がすっからかんだった。現場で現金が出てきて、魔が差してしまった」と振り返った。
この件が問題にならなかったことから盗みを続けたといい、「警察官は国民の信頼の上に成り立っている。それを裏切ってしまった。許されないことをした」と時折ハンカチで目元を拭った。
起訴された3件以外にも、硬貨を持ち去って、コンビニでの買い物の足しにしたことがあったという。「いつかばれる。やめないと」と葛藤も抱えていたとし、火災の捜査から離れたい考えを持っていたことも明かした。
一連の事件は、25年1月に政野被告が火災現場にあったポーチから現金1000円を抜き、ポケットに入れるのを一緒にいた消防隊員が目撃したことで発覚した。警視庁は25年7月、起訴された3件を含む8件の盗み(被害額計約900万円)をしたとして政野被告を懲戒免職処分とした。【安達恒太郎】
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