満月の日の祝祭 大阪でミャンマーの伝統行事「ダディンジュ」

2025/10/06 19:00 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 10月の満月の日、ミャンマーではさまざまな場所で明かりがともる。僧侶が雨期に外出を控え、室内にこもって修行する「雨安居(うあんご)」明けを祝う伝統行事「ダディンジュ」。仏教徒が9割を占めるミャンマーでは釈迦を地上に迎えるためパゴダ(仏塔)や寺院、家の玄関やベランダなどでろうそくやちょうちんがともされる。

 大阪市鶴見区の区民センターでは5日、伝統衣装を着た在日ミャンマー人ら約600人が集まり、LED電球がともされたちょうちんをかざりつけた。会場では伝統舞踊が披露され、郷土料理が振る舞われた。

 ミャンマーでは2021年にクーデターが発生し、現在も国軍は学校など無差別に空爆を続けている。ダディンジュを企画したヤンゴン出身のザーリーさん(30)によると、現地ではクーデター以降、ダディンジュを大規模に行うことはなくなっているという。

 この日は現地の子供たちへの教育や食事、医療支援の募金もあり約40万円が集まった。ザーリーさんは「ミャンマーでは今も苦しんでいる人がたくさんいるのに、開催することに迷いもあった」と話す。「でもこのままだと伝統文化が消えてしまう。ミャンマーの文化、そして現状を日本の皆さんにも知ってほしい」【久保玲】

毎日新聞

社会

社会一覧>