なぜミャクミャクに?キャラに史上初の感謝状 「石破首相らしい」

2025/10/14 15:49 

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 石破茂首相が13日の大阪・関西万博の閉会式に出席し、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」に「総理大臣感謝状」を贈呈した。キャラクターに贈呈するのは史上初めて。その裏側を取材すると、石破首相の強いこだわりがあった。首相が交代していれば、実現しなかったかもしれない。

 ミャクミャクは2022年にデザインが公表されたが、当初は交流サイト(SNS)などで「気持ち悪い」「不気味」といった声が強かった。しかし、開幕とともに「キモかわいい」と人気が広がり、人形やキーホルダーといった関連グッズの売り上げは好調に推移。万博の運営費収支は230億~280億円の黒字となる見込みで、ミャクミャクなどのグッズの売り上げが大きく貢献した。

 首相自身もミャクミャクがお気に入りで、首相官邸のエントランスに設置されているミャクミャク人形と会話ができるように要望した。その結果、カメラで捉えた人の動きを人工知能(AI)が分析した上で、複数のせりふを選ぶ高性能な仕様に進化した。

 万博のシンボルとして盛り上がりを支えた功績に対して、首相は13日、閉会式前にミャクミャクに直接感謝状を手渡した。「ミャクミャクはこれからもみんなの前に来てくれるよね」と首相が声をかけると、ミャクミャクも「ミャクミャクはいつでもみんなのそばにいるよ」と喜んだ。

 政府関係者によると、首相の発案で今回贈呈することになったが、人や団体以外に感謝状を贈呈した前例はなかったため、事務方は当初、戸惑いを見せたという。ただ、政府関係者は「今回の感謝状はいかにも石破首相らしい。ほかの人が首相だったらやらないだろう」と話した。【古川宗、高田奈実】

毎日新聞

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