福岡市、アドトラック規制拡大を表明 条例改正案を議会に提案へ

2025/10/15 10:31 

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 福岡市の高島宗一郎市長は15日、トラックなどに大型広告を表示して走るアドトラック(広告宣伝車)について、規制対象を拡大する条例改正案を早ければ12月開会の市議会定例会に提案する考えを明らかにした。市中心部を繰り返し走行するアドトラックに対し市民から苦情が寄せられていたが、多くの車両が条例の規制対象外だった。

 アドトラックを巡っては、派手なイラストを施した車両が、各地の繁華街で大音量の音楽と共に風俗求人サイトなどを宣伝している状況に、「うるさい」「不健全だ」などと規制を求める声が上がっていた。高島市長は記者会見で「これまで市民と一緒に福岡市の景観を作ってきたが、(条例制定)当時は想定していなかった状況になっている。しっかりとアップデートする」と述べた。

 福岡市の屋外広告物条例は、周囲の運転手を幻惑させる恐れがある光を発する車両広告を禁止しているが、対象は道路運送車両法上の「使用の本拠」が市内の車両のみとなっている。

 しかし市の調査で、市内を走るアドトラックのほとんどが市外に本拠があるため規制対象外となっている実態が判明。市は条例改正によって、市外に本拠を置くアドトラックも含めて規制対象にする方針だ。今後、専門家の意見を聞いて細部を詰める。

 東京都も2024年6月に都条例を改正し、それまで規制の対象外だった都外ナンバーの車両についても電光表示装置で映像を映し出すことを禁止した。ただ、課題だった広告内容の規制には踏み込まなかった。

 福岡市も今回の改正では広告内容の規制には踏み込まない方針だ。また、音については、福岡県警が所管の県騒音防止条例があり、市の条例による規制は見送る見通し。【竹林静、平川昌範】

毎日新聞

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