「警察への信頼を失墜」 ”火事場泥棒”の元警察官に執行猶予判決

2025/10/16 16:13 

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 火災現場の捜査中に見つけた現金計約640万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた元警視庁捜査1課警部、政野亮二被告(51)に対し、東京地裁は16日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡した。鈴木悠裁判官は「警察に対する信頼を失墜させる悪質な犯行」と非難した。

 判決は、住宅ローンの一括返済で一時的に資産が大きく減少し、漠然とした不安感から盗みを繰り返したと認定。被告は、放火などの事件性が疑われる捜査を専門的に担う火災犯係の責任者として「出火原因特定のため、遺留品に触れられる立場を悪用した」と指摘した。

 一方で、被告が公判で「魔が差してしまった」などと起訴内容を認めて謝罪し、被害者側に示談金を支払っていることを考慮し、刑の執行を猶予した。

 判決によると、政野被告は2022年10月~25年1月、東京都内で起きた3件の住宅火災現場で現金計約640万円を盗んだ。

 警視庁は25年7月、起訴された3件を含む8件の盗み(被害額計約900万円)をしたとして政野被告を懲戒免職処分とした。【安達恒太郎】

毎日新聞

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