札幌の住宅街でヒグマ1頭駆除 目撃と同じ個体か 臨時休校は解除

2025/10/16 18:28 

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 札幌市では16日、未明から住宅街でヒグマ目撃が相次いだ。中央区円山西町3では少なくとも早朝と午後に計4回の目撃通報があり、市は同日、ハンターが周辺をうろついていた体長75センチで推定0歳の雄ヒグマ1頭を駆除したと発表した。

 16日午後2時10分ごろ、住人から「クマがいた」と110番があった。道警や市によると、クマは木に登ったり、イチイの木の実を食べたりしていたという。

 札幌西署員やハンター、市職員が現場に駆けつけ、周辺は交通規制された。午後3時半ごろ、雑木林で地面に降りているタイミングを見計らい、警察官職務執行法に基づいてハンターが2発発砲し、命中したという。

 近くではこの日、午前6時50分ごろと午前7時20分ごろにもクマを目撃したとの通報が道警に寄せられ、市は大倉山小(中央区宮の森3の13)と宮の森中(宮の森1の16)を臨時休校にしていた。17日は休校せず、児童・生徒は保護者が付き添って登校する。

 市環境共生担当課は朝に目撃されたクマと駆除されたクマは同一個体との見方を示している。

 近くに住む自営業の50代の夫婦は「仕事から帰宅し、パンという銃声を2回聞いた。普段は静かな場所なので銃声は怖かった。この辺りに25年住んでいるが、クマで騒ぐのは今年が初めて」と語った。60代男性は「どこに出てもおかしくない。日が昇っていない時間帯の犬の散歩は避けている」と話した。

 16日は午前1時半ごろに中央区南29西12で道路を横断する2頭が目撃されたのを皮切りに、市内の山裾の住宅街でクマが頻出した。

 西区山の手5の10では午前6時半ごろ、住宅の庭で「クマを見た」と通報があり、住民が窓から外を見ると体長約1メートルのクマが木の実を食べていた。午後4時20分ごろには体長約1・5メートルのクマの目撃通報もあった。

 札幌市内では、道が西区にヒグマ警報、中央区などの5区にヒグマ注意報を発令中。西区で9、11、13、14日にヒグマ計5頭が駆除されている。【和田幸栞、水戸健一、谷口拓未】

毎日新聞

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