常盤松中が初優勝 東葛駅伝 「こつこつ」マイペース、V導く

2025/10/18 17:20 

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 千葉県北西部の秋の風物詩「第77回東葛飾地方中学校駅伝競走大会」(東葛駅伝、毎日新聞社など主催)は18日、松戸市民劇場(同市本町)と野田市総合公園陸上競技場(同市清水)を結ぶ10区間31・9キロで行われた。松戸、野田、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷の6市74校が参加。中盤からトップに立った流山・常盤松が、7区で野田・第一(野田一)に逆転を許したものの8区で再び抜き返して初優勝を果たした。流山勢の優勝は第51回大会(1997年)の東部以来28年ぶり。2位には野田一、3位に松戸・第六が入り、3連覇を狙った我孫子は6位でフィニッシュした。

 「やりとげました」。常盤松の池三津遼主将(3年)は胸を張った。過去3大会、3位、3位、2位と実績を重ねてきた。しかし、1年時から出場してきた池三津主将は「優勝校の背中が見えてるのに、追っても追っても届かない悔しさ」を感じ続けてきたという。

 今年のチーム結成時から「初優勝を」と焦る池三津主将らに、柗冨(まつとみ)夏樹監督(29)は言った。「こつこつやるしかないんだ。一足飛びに力をつける方法なんかない。積み重ねが力になるんだ」。その言葉通り、選手たちは黙々と走り込んだ。そして臨んだ大会当日、チームは一つの確信を得ていた。「一人一人が自分のペースを守り、力を出し切れば勝てる」(7区・西川恭士郎=3年)

 3区で先頭集団から抜け出して一時は独走に持ち込んだが、トラック競技の実績者をそろえた野田一に、7区で激しく追い上げられる。だが、西川は冷静だった。「追いつかれても絶対にペースを崩さないこと」。野田一の足音が間近に迫っても振り向かず、淡々と走った。たすきをつなぐ直前に抜かれたものの、この「マイペース」が常盤松に勝利をもたらした。

 僅差の2位でスタートした8区・中村聡真(3年)は「西川の顔が落ち着いてたんで、まだまだこれからと思った」。しっかりとストライドを刻んで野田一を抜き去り、差を広げていった。念願の頂点に立ち、柗冨監督は言った。「こつこつと積み上げてやり遂げたことを、生徒たちはきっと財産にしてくれるでしょう」【高橋努】

毎日新聞

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