スマホに女性2000人超の画像 盗撮容疑の検視官室長を懲戒処分

2025/10/23 20:44 

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 電車内で女性の下半身を盗撮したなどとして、福岡県警は23日、県警捜査1課で検視官室長を務める男性警視(51)を県迷惑行為防止条例違反容疑で福岡区検に書類送検し、停職3カ月の懲戒処分とした。警視は「性的欲求を満たすためだった」と容疑を認め、同日付で辞職した。警視のスマートフォンからは女性2000人以上を撮影した画像や動画が見つかったという。県警では8月以降、性暴力事件での逮捕やセクハラによる処分など幹部職員の不祥事が相次いでいる。

 書類送検容疑は6月13~15日、福岡市地下鉄空港線の列車内で、座席に座っていた10~20代の女性2人の太ももを撮影したり、撮影するためにスマホを差し向けたりしたとしている。

 県警によると、女性職員から6月中旬、県警本部内や敷地内で後ろ姿を撮影されたと被害申告があり、警視に聞き取り調査したところ、盗撮を認めたという。所持していたスマホからは2024年10月~25年6月に少なくとも女性2000人以上を電車内などで盗撮したとみられる画像約3800枚と動画約100本が見つかった。後ろ姿や下半身を撮影したもので、下着などは写っていなかったという。

 警視は調べに対し「22年9月ごろから通勤中や休日に盗撮を始めた」と説明。発覚を恐れて25年4月以降に一部を削除したが、見返していると「もったいない」と思い、その後も大量の画像や動画を保存したままにしていたという。県警はそのうち被害者が特定できるなどした2人分について起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検した。

 警視は遺体の状況などを調べて事件性の有無を判断する検視官室のトップで、過去には捜査1課で性犯罪特別捜査班長も務めていた。県警の那須重人首席監察官は「被害者や県民の皆様に深くおわび申し上げます」とコメントし、再発防止を徹底するとしている。

 県警の警部以上の幹部による不祥事が明らかになったのは、8月以降4件目。後輩の女性職員にわいせつな行為をしたとして50代の男性警部が不同意わいせつ容疑で逮捕、起訴された他、捜査部門トップで警視正の男性刑事部長が後輩職員に性的な発言をしたとして本部長注意処分を受け、辞職するなどしていた。【志村一也】

毎日新聞

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