東京国際ろう芸術祭が開幕 デフリンピック前に国内外の芸術家集う

2025/11/07 10:45 

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 15日開幕の聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」を前に、「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」(文化庁、一般社団法人日本ろう芸術協会主催)が6日、東京都杉並区高円寺北2の劇場「座・高円寺」をメイン会場に始まった。9日まで国内外のアーティストが集い、ろう・難聴者の芸術を披露する。

 これまで映画祭として開催してきたが、今回は映画だけでなく演劇・パフォーマンスなどを含む48プログラムに拡充。手話やろう者に関する物販などのマルシェも開かれる。

 この日は、ろう者によって発展してきた手話とは全く別物の視覚的パフォーマンス「ビジュアル・ヴァーナキュラー(VV)」のワークショップもあった。メキシコから来日したVVパフォーマーのエディさんが想像や感情を全身を使って表現し、物語からアクションまで1人で複数の役を演じることが可能であることを説明した。

 宮城県の会社員、三橋絡さん(22)と埼玉県の大学生、松下綾夏さん(23)は「エディさんから直接学べるのが楽しみだった。VVに魅入られた」。神奈川県の教員、加藤悠さん(23)は「映画祭の時より大規模なイベントになっており、他のプログラムも楽しみだ」と話した。

 芸術祭総合ディレクターの牧原依里さん(39)は「ろう・難聴者が自分らしく過ごせる場所を作りたいと思った。聴者にとっても、ろう・難聴について知るきっかけになってくれたらうれしい」と多くの来場を呼びかけている。【佐久間琴弓】

毎日新聞

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