減らせ食品ロス 福岡県、食べ残し持ち帰り用容器を飲食店に配布

2025/11/11 10:15 

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 飲食店の食品ロスを減らそうと、福岡県は客が食べ残しを持ち帰るための容器を製作し、居酒屋やレストランなど131店舗に配布している。忘年会シーズンが近づく中、年末までの取り組みで、店と客の双方からアンケートをとり食品ロス削減効果を検証する。

 県が製作した容器は「持って帰っていいとボックス」(縦10・5センチ、横16センチ、高さ6センチ)。側面に障害者が描いた絵が印刷され、機能面でも油による劣化を防ぐ加工や電子レンジの加熱に対応するようできている。

 取り組みの背景には深刻な食品ロスの現状がある。廃棄量は年々減少しつつあるが、2023年度は全国464万トンに上り、国民1人当たり毎日おにぎり1個分を捨てている計算になるという。県内では事業者から出る食品ロスのうち約4割を外食産業が占め、その一因が食べ残しとなっている。

 このため、県は協力店舗を公募し、10月から30箱ずつ容器を無償で配布。飲食店には従業員の負担感などを、客には持ち帰ってから食べるまでの時間などをアンケート調査し、結果を基に課題の整理や食品ロスの削減効果を検証する。

 定例記者会見で服部誠太郎知事は「日本ではなかなか持ち帰りが普及していなく、せっかくの料理が捨てられている。この取り組みを契機として、今回の参加店舗以外にも持ち帰りが広がれば」と話した。対象店舗は県ホームページで確認できる。【宗岡敬介】

毎日新聞

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