共通テスト当日の痴漢対策 警察官動員4割増 SNS投稿に警告も

2026/01/15 16:43 

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 「受験の日って痴漢日和らしいよ」「やっぱり女子大の沿線狙い?」――。

 これらは実際に交流サイト(SNS)に書き込まれた投稿だ。

 例年、大学入学共通テストの時期には、こうした痴漢をあおるような投稿が相次ぐ。背景には「受験生は『遅刻したくない』と考えて被害申告をためらうのではないか」という卑劣な思考があるとみられる。

 冒頭の書き込みは、警視庁が2025年に確認したものだ。こうした投稿にはリプライ(返信)で「痴漢は個人の尊厳を踏みにじる重大な犯罪行為であり、決して許されることではありません。この犯罪に対し、警察は検挙の措置を講じます」と警告し、SNS運営者に削除要請を出しているという。

 警察当局や鉄道会社は警戒と取り締まりを強める。警察庁は26年の共通テスト(17、18日)に合わせて、全国で前年から4割増となる約4600人の警察官を動員する。列車内やターミナル駅、試験会場の最寄り駅などを巡回するという。

 警視庁は13~18日を対策強化期間と位置づけている。13日には東京都台東区の浅草橋駅で、タレントの菊池柚花さんと地元高校生が痴漢の撲滅を訴え、被害に遭った際にブザーを鳴らしたり画面に「助けてください」などと表示させたりできる防犯アプリ「デジポリス」の活用を訴えた。

 JR東日本と私鉄各社も対策を強める。列車内や駅構内で注意喚起の放送を流し「痴漢・盗撮は犯罪です」と書かれたポスターを掲示する。

 「試験場に急ぐ受験生を不安にさせるような投稿は許されない。絶対にやめていただきたい」

 松本洋平文部科学相は9日の記者会見で、そう強調した。文科省によると、大臣が共通テストに臨む受験生にエールを送ることはあったが、痴漢に言及するのは異例という。担当者は「強い問題意識の表れだ」とする。

 万が一被害に遭った場合には、落ち着いた対応が必要だ。大学入試センターは「事件に巻き込まれた場合や痴漢の被害に遭った場合、追試験の対象になる」とし、受験票に記載された「問い合わせ大学」に連絡するよう呼びかけている。

 また、制服を着ていると外見から受験生だと判断されターゲットになる恐れがある。センターは「私服でも構わない」とホームページに明記している。【斎藤文太郎、菅野蘭、松本ゆう雅、深津誠】

毎日新聞

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