熊本でヘリ墜落 阿蘇山斜面に大破の機体 現場付近では異音も

2026/01/20 18:28 

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 20日午前11時過ぎ、熊本県阿蘇市の観光施設「阿蘇カドリー・ドミニオン」を飛び立った観光遊覧用のヘリコプター1機が消息を絶った。消防や警察などが周辺を捜索したところ、約5時間後に阿蘇山の中岳第1火口の北側斜面で、ヘリの機体が大破しているのが見つかった。現場付近で「『ドーン』という音を聞いた」との情報もあることから、墜落したとみられる。

 警察などによると、ヘリには60代の男性パイロットと、台湾からの旅行客とみられる男性(41)と女性(36)の計3人が搭乗していたが、安否は分かっていない。20日の捜索は夜で打ち切り、21日朝に再開する。

 ヘリの機種は「ロビンソンR44」で「匠(たくみ)航空」(岡山市)が運航。午前10時50分過ぎに同施設を離陸し、観光名所の「草千里」や阿蘇山上空を巡った後、同施設に戻る約10分のフライトを予定していた。

 離陸後の午前11時過ぎ、ヘリ内にあったスマートフォンが衝撃を受けて自動通報するシステムが作動し、消防が異変を覚知。消防や警察、国土交通省の要請を受けた航空自衛隊が捜索を続けていた。

 匠航空によると、操縦士の男性は総飛行時間約4000時間のベテランで、約40年のキャリアがあった。ヘリは数日前に定期検査を受けたが、異常は確認されなかったという。

 関係者によると、ヘリはこの日、3本目のフライトだった。火口周辺は風は少し強かったが、中岳には雲がかからず、付近からもよく見えたという。火口付近にいた男性警備員(66)は「11時過ぎに『ドーン』という音は聞いた。遊覧飛行のヘリは、いつも火口の方にも飛んでいくから『もしかしたら』と思ったが……」と心配そうに語った。

 同施設の遊覧ヘリを巡っては2024年5月、阿蘇市内の空き地にヘリが不時着。男性パイロットと乗客の男女2人の計3人が重傷を負う事故が起きており、国の運輸安全委員会が調査を続けている。当時も匠航空が運航しており、不時着したヘリと今回のヘリは同型機だった。

 同施設はヘリの運用を当面の間、中止する。【野呂賢治、中村敦茂、山口桂子】

毎日新聞

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