南鳥島沖でレアアース泥の試掘成功 数日間連続の引き上げは世界初

2026/02/02 19:59 

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 海洋研究開発機構は2日、南鳥島(東京都小笠原村)近海の水深約5600メートルの深海底から、レアアース(希土類)を含む泥の採取に成功したと発表した。数日間にわたって連続的に海底からレアアースを含んだ泥を引き上げたのは世界初で、採掘システムとして稼働し得ることが確認できたとしている。

 南鳥島から南東に約150キロの地点で、地球深部探査船「ちきゅう」から海底へ多数のパイプを伸ばし、1月30日に採掘を開始した。2月1日に泥水が引き上げられていることを確認し、ボトルに詰め込んだ。2月15日に静岡県の清水港に帰港後、量や成分を分析する。

 事前の調査で、この海域には多種のレアアースの存在が確認されており、今回採取した泥にも含まれていると考えられるという。

 レアアースは17種類の金属の総称で、産業に欠かせない重要資源。世界的には中国などに偏在しており、経済安全保障上のリスクが指摘されている。ただ、深海底から引き上げて精錬するコストが価値に見合うかはまだ分かっていない。

 今回は試掘の位置づけで、海洋機構などが参画する内閣府主導のプロジェクトの一環として行われた。2027年には採算性が取れるか確認するため、1日に約350トンの泥を採取する本格的な採掘試験を始める。南鳥島に持ち込んだ脱水設備で処理してから本州に運び、レアアースの抽出、精製までを試みる予定だ。

 尾崎正直官房副長官は2日の記者会見で「取り組みが成功したことは、経済安全保障や総合的な海洋開発の観点からも意義のある成果だ」と強調。レアアースの安定供給に向けて「同志国と連携した鉱山開発、製錬事業への出資など一連の取り組みを進めたい」と述べた。【荒木涼子、信田真由美、畠山嵩】

毎日新聞

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