ライブ配信のスーパーチャットにご注意を 投票呼びかけは違法の恐れ

2026/02/03 12:42 

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 動画配信や交流サイト(SNS)の隆盛を背景に、今回の衆院選でも各陣営がインターネットを駆使して選挙戦に臨んでいる。記者が、ある候補者のユーチューブ配信を視聴していると、その候補者への投票を呼びかけるメッセージとともにスーパーチャット(投げ銭)が送られているのを見かけた。これは問題ないのだろうか。

 ◇「どうか当選させて」

 「○○○区の皆様、○○○○(候補者名)を応援してください‼どうか当選させてください 宜(よろ)しくお願いいたします」

 1月下旬、衆院選に出馬している候補者が街頭演説をライブ配信していた。画面端のチャット(コメント)欄に視聴者のチャットが次々と流れる中、候補者を当選させてほしいというメッセージが緑色を背景にしばらくの間、固定して表示された。ハンドル名の横には「500円」と表示されている。

 ユーチューブのライブ配信ではスーパーチャットをすると、メッセージが目立つ色で大きく表示され、金額に応じて一定時間チャットの一番上にとどまる仕組みがある。この投稿はそれを利用したものだ。

 ◇公選法はネット有料広告を禁止

 公職選挙法142条の6は、選挙運動として候補者の氏名を表示したインターネットの有料広告を禁じている。スーパーチャットでの投票呼びかけは公選法に抵触しないのか。

 総務省選挙課に尋ねると、担当者は「一般論としてインターネット上で有料で候補者の氏名を表示して投票を呼びかけていれば、有料広告にあたる。投稿した人が公選法の規定に抵触する恐れがある」と話す。

 ライブ配信をしていた事務所の担当者は毎日新聞の取材に「公選法違反にならないように私たちは活動をやっているつもりだったが、スーパーチャットが有料広告にあたるとは知らなかった」と釈明した。その後、陣営はライブ配信でスーパーチャットができない設定に変更した。

 ◇「ガイドライン更新を」識者

 ネットと選挙の関係に詳しい明治大公共政策大学院の湯浅墾道(はるみち)教授(情報法)は、ネットを使用した選挙運動が2013年に解禁された当時は想定されていなかった事態が多数出現していることを踏まえ、「法改正とともに示されたインターネット選挙運動のガイドラインは現在も更新されていない。ネット空間を除いたリアルの選挙運動は依然として規制が厳しいのに対し、ネットの選挙運動は緩やかで、ギャップが大きい。ネットの選挙運動が普及する中で、国は技術進化に合わせてガイドラインを改めるべきだ」と指摘する。

 有権者に対しては「スーパーチャットはお金を払うことで、メッセージが上に出るようにするわけで、有権者が普通に誰々を応援しますといった投稿とは違う。お金で買っているということを認識して、選挙運動に向き合った方がいい」と注意を促す。【砂押健太、矢追健介】

毎日新聞

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