「研究の出発点」 ノーベル賞の阪大・坂口志文さん、愛知で記念講演

2026/02/23 19:00 

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 2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大の坂口志文特別栄誉教授(75)が23日、研究生を務めた愛知県がんセンター(名古屋市千種区)で記念講演した。坂口さんは、「(センターで)免疫学の最初の手ほどきを受け、私の研究が始まった。研究の出発点だ」と語った。

 研究者を目指す約260人の学生らが耳を傾けた。坂口さんは体の過剰な免疫反応を防ぐ「制御性T細胞」の発見でノーベル賞を受賞した。

 京都大大学院中退後の1977年10月から80年3月まで、がんセンター研究所の実験病理部門に無給の研究生として所属。センターは、名古屋市立大の医大生として実習に来ていた妻で大阪大招へい教員の教子さん(72)との出会いの場でもあり「人生にとっても特別な場所」と話した。

 センターで始めた約50年に及ぶ自身の研究を振り返り「マウスから胸腺を取る実験から始め、今は人の病気をどこまで治療できるかという所まできた。どこまで人の役に立つか、もう少し研究したい」と語った。その上で、若い世代に向け「AI(人工知能)などで簡単に答えは出るが、時間がかかっても知識を自分で使いこなせる力が必要」と強調した。

 この日は、県学術顕彰授与式もあり、大村秀章知事は「県民の大きな誇りだ」とたたえた。【川瀬慎一朗】

毎日新聞

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