高松塚壁画から東南アジアの昆虫由来成分 日本の絵画で最古例か

2026/02/25 19:55 

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 文化庁は25日、「飛鳥美人」などで知られる奈良県明日香村の国宝・高松塚古墳壁画の一部から有機色料「エンジ(臙脂(えんじ))」を検出したと発表した。エンジは東南アジアに生息する昆虫「ラックカイガラムシ」の分泌物から採れる赤い色素で、奈良・正倉院宝物の確認例を半世紀さかのぼる。

 25日に京都市で開かれた文化庁の検討会で報告された。飛鳥美人を構成する4人の女性像のうち、左から2人目の桃色の衣を最先端の非破壊手法「可視分光分析」で解析し、判明した。これまでの調査で唇の赤や衣の青に鉱物性の無機色料が使われているのが分かっていたが、壁画から有機色料が見つかったのは初めて。有機色料は退色しやすいという。

 正倉院宝物のエンジを分析した成瀬正和・元宮内庁正倉院事務所保存課長は「エンジの使用は日本の絵画で最古例ではないか。大陸経由でもたらされたとみられ、さまざまな色料を使って高松塚壁画が緻密に描かれたことが分かった」と評価する。

 検討会では、年4回行ってきた壁画の一般公開を2026年度から約4年間休止することも報告された。壁画を保存する新施設が完成する29年度末に公開を再開する。【皆木成実】

毎日新聞

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