名人戦初挑戦を決めた糸谷哲郎八段 「藤井名人に教わる気持ちで」

2026/03/02 23:16 

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 藤井聡太名人(23)への挑戦権を争う将棋の第84期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)のプレーオフが2日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、糸谷哲郎八段(37)が141手で永瀬拓矢九段(33)に勝ち、A級復帰1期目で名人初挑戦を決めた。七番勝負は4月8、9の両日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。

 糸谷八段は第77~81期にA級に5期在籍。その後、B級1組に降級したが、前期順位戦でA級復帰を果たした。2025年6月に日本将棋連盟常務理事に就任し、将棋の研究時間を削る多忙な日々となった。それでもA級順位戦では勝ちっ放しの永瀬九段に1敗で追走し、1月の8回戦で直接対決に勝って追い付き、最終成績7勝2敗でプレーオフに持ち込んだ。

 プレーオフは相雁木(がんぎ)のじっくりした戦いとなり、永瀬九段が鋭い踏み込みで一旦はリードを奪った。しかし糸谷八段も必死の粘りで玉の脱出に成功し、挑戦者の座をつかみ取った。将棋連盟によると、現役の常務理事がタイトル戦に登場するのは1987年の棋聖戦で挑戦者になった西村一義九段以来、38年ぶり。

 糸谷八段は竜王1期。タイトル戦登場は21年の棋王戦以来で5回目。藤井名人とは初対戦から8連敗し、1勝9敗と大きく水をあけられている。タイトル戦では初対決となる。

 糸谷八段は「A級から落ちてまたチャンスが巡ってくるかどうか分からなかったが、復帰1期目で挑戦できたというのは非常にうれしい。藤井名人には対戦成績もボコボコにやられていて本当に強い人なので、教わる気持ちでやっていきたい」と決意を語った。

 2期連続の名人挑戦を惜しくも逃した永瀬九段は「とても残念だが、どういう状況でも引き続きベストを尽くさないといけないので、しっかりと修正していく。来期のA級は若い棋士も入るので対抗できるように頑張りたい」と悔しさをにじませた。【丸山進】

毎日新聞

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