死亡の女子生徒、救命胴衣引っかかったか 海上運送法違反も捜査

2026/03/19 19:35 

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 沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の高校生ら計21人が乗った小型船2隻が転覆し、2人が死亡した事故で、亡くなった女子生徒(17)は転覆した船の下にいる状態で見つかったことが市消防本部への取材で判明した。発見時、救命胴衣が船体の構造物に引っかかっており、脱出できなかった可能性がある。救助されたのは転覆の約1時間後で、意識不明の状態で搬送され、後に死亡が確認された。第11管区海上保安本部(那覇市)は転覆時の状況などを調べている。

 また、2隻が海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことについて、11管は取材に対し、同法違反にあたる可能性もあるとみて捜査していることを明らかにした。

 11管によると、16日午前10時10分ごろ、辺野古の約1・5キロ沖で高校生8人と船長の金井創さん(71)が乗った「不屈」が転覆。2分後に、高校生10人と船長ら2人が乗った後続の「平和丸」がほぼ同じ場所で転覆した。

 乗っていたのは同志社国際高校(京都府京田辺市)の2年生で、修学旅行での平和学習の一環として米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事現場を見学していた。金井さんと、平和丸に乗っていた女子生徒が死亡し、他に生徒ら14人が骨折や擦り傷などのけがをした。

 名護市消防本部によると、現場に到着した救助隊員がひっくり返った平和丸の下に潜ったところ、救命胴衣が船尾の収納箱に引っかかった状態でいる女子生徒を発見。救助したが、亡くなった。11管は司法解剖するなどして死因を調べる。

 海上運送法では、旅客定員12人以下の「非旅客船」でも、不定期に他人の需要に応じて人を輸送する場合は「一般不定期航路事業」として登録が必要になる。平和丸の旅客定員は12人、不屈は9人。2隻を運航する市民団体「ヘリ基地反対協議会」によると、これまでも学校や報道機関、研究者らの依頼を受け、年に数回ほど外部の人を乗せて、移設工事の現場を案内していた。登録はしていなかった。

 同協議会の関係者は取材に「救命胴衣の着用や乗船人数については(海上保安庁から)尋ねられることがよくあったが、(案内は)ボランティアなので登録は必要ないと考えていた。運航に必要な法的な要件は満たしていると認識していた」と語った。

 登録事業者は、安全管理規定の策定や安全統括管理者の選任、事故などの損害に旅客1人当たり5000万円以上を補償する保険への加入などが必要になる。【田崎春菜、比嘉洋】

毎日新聞

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