日米首脳会談の焦点 経済安保強化、ホルムズ海峡巡る対応に注目
訪米中の高市早苗首相は19日(日本時間20日)、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談する。事実上の封鎖が続く原油輸送の要衝ホルムズ海峡を含むイラン情勢への対応が焦点で、同海峡の安全確保に向けてトランプ氏が日本に具体的要求をするかが注目される。首相は同海峡の「航行の自由」の重要性を訴える見通し。両首脳は経済的威圧を強める中国への対応を念頭に、レアアース(希土類)の共同開発など経済安全保障で連携強化を確認。米国産原油の輸入拡大も申し合わせる。
トランプ氏はホルムズ海峡の安全確保に向けて、日本を含む関係国に艦船派遣を求めてきたが、各国の慎重姿勢を受け、17日に事実上撤回した。ただ、発言にはぶれが目立ち、会談で何を求められるか予断を許さない状況だ。
日本政府は会談を前に、交戦が続く地域への自衛隊派遣は難しいとの立場を米側に説明してきた。首相は現状での派遣には慎重な姿勢で、18日の参院予算委員会では「日本の法律に従ってできることはできる、できないことはできないとしっかりと伝える」と述べた。
首相は要求があれば、武力行使に厳格な規制がある日本の憲法や法制度を説明する構え。国際法違反との指摘がある米・イスラエルによるイラン攻撃については法的な評価には踏み込まず、賛否を明らかにしない見通しだ。
両首脳は、高騰する原油価格の抑制に向け、米国産原油の輸入拡大に向けた増産投資や日米による共同備蓄について合意する見通し。日本としては中東に過度に依存する原油輸入先の多角化につなげたい考えだ。
重要鉱物の確保を巡っては、南鳥島(東京都小笠原村)沖の海底レアアースの共同開発を確認。中国産の安いレアアースが市場に流入することを防ぐ「最低価格保証」制度の創設も打ち出す。日米関税合意に基づく総額5500億ドル(約86兆円)の対米投融資の第2弾に関しては共同文書を発表する方針で、次世代型原発の小型モジュール炉(SMR)建設などが柱となる見込み。
昨年2月に石破茂首相(当時)が訪米した際には「日米の新たな黄金時代を追求する決意」などを盛り込んだ日米首脳共同声明を発表したが、今回は見送られる見通しだ。イランとの激しい戦闘が継続していることが影響した可能性がある。
首相の訪米は昨年10月の就任後初めて。両首脳の対面での会談は同月にトランプ氏が訪日して以来、2度目となる。
会談は大統領執務室での少人数会合に続き、ワーキングランチが実施される予定だったが、日本政府関係者によるとトランプ氏の意向で取りやめとなった。少人数会合の時間延長などを調整しているという。19日夜(同20日)にはホワイトハウス内で夕食会が予定されている。【ワシントン飼手勇介】
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