小笠原村長「国が主体的に判断すべきだ」 核のごみ文献調査容認

2026/04/13 21:05 

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 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り、東京都小笠原村の渋谷正昭村長は13日、国が村に申し入れた南鳥島での「文献調査」を容認する意向を村民向け説明会で明らかにした。「国が主体的かつ責任をもって判断すべきだ」と述べた。渋谷氏は近く経済産業省に正式に回答する。応募や地元の請願を経ずに国が主導して調査を申し入れた初めてのケースで、文献調査が実施されると全国4カ所目となる。

 この日、母島と父島で非公開の説明会が開かれ、渋谷氏は自らの考えを伝えた。終了後、オンラインで記者会見した渋谷氏は「国が文献調査の実施を判断するのであれば、その判断を受け入れる」と話した。その上で、引き続き村民への説明や議論の機会を設ける▽風評被害を起こさない努力をする▽文献調査が行われたとしても処分施設の建設決定ではないことを確約する――ことなどを要請すると説明した。

 また、比較検討する選択肢を増やすために他の自治体にも調査の申し入れをするよう求め、申し入れがなければ「次の段階に移行するかどうかの意見表明は行わない」と明言した。

 経産省は3月3日、南鳥島で文献調査を実施することを村に申し入れた。南鳥島を選んだ理由について「(建設適地を示した)科学的特性マップで好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域であり、最終処分施設の地上施設を設置できる未利用地が存在している」と説明した。

 文献調査が実施されれば、北海道寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村、佐賀県玄海町に続き、4カ所目となる。寿都町と神恵内村では2020年から全国初の文献調査が始まり、調査主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は24年、寿都町全域と神恵内村の一部を第2段階の「概要調査」の候補地とする文献調査の結果を公表した。

 文献調査に至った場合は小笠原村には最大20億円が交付される。概要調査に進む場合は改めて村長と都知事の同意が必要になる。

 南鳥島は村役場のある父島から東南東に約1200キロ離れている日本最東端の島。全島が国有地で一般の住民は住んでいない。【柳澤一男、荒木涼子】

毎日新聞

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