1日657円 京都・滋賀の私大生仕送り 公的支援「大学は後退」

2026/04/19 11:15 

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 私立大1年の下宿生の受験から入学までの費用は213万1807円。3カ月目(6月)の仕送り額は7万7562円で家賃を差し引けば1日当たり657円――。京都や滋賀にキャンパスがある私立4大学の学生の保護者を対象に実施された「家計負担実態調査(2025年度)」で、そんな厳しい数字が示された。

 14大学で構成する京都私立大学公費助成推進会議が実施したアンケートの結果を京滋地区私立大学教職員組合連合がまとめた。1988年度に始めた調査で今回が38回目。2025年5~9月、京都橘大、同志社大、立命館大、龍谷大の学生の保護者に郵送し、計4847人(下宿生2645、自宅生2155、記入なし47、1年生が計2688)の回答を得た。

 下宿生の入学までの平均費用の内訳は▽受験(4・3回)28万3432円▽初年度納付金138万983円▽下宿の礼金・敷金18万316円▽家賃1カ月分5万7836円▽生活用品22万9240円で、初年度納付金が約65%を占めた。

 またこれとは別に、今回は初めて下宿生が入学時に購入するパソコンやタブレット端末などのデジタル機器の費用も調査したところ、18万4570円だった。

 納付金の負担感については「大変重い」(58・7%)と「重い」(36・4%)が合わせて全体の約95%。教育費の準備が自己資金なのは73・1%で、21・1%は一部借り入れ、5・5%は全額借り入れだった。

 教育費を積み立てていたのは全体の68・3%。平均の積み立て期間は1・7歳から16・1年間で月額1万5143円だった。保護者の税込み年収は934万2589円(下宿生968万2325円、自宅生890万4489円)。

 1年生で奨学金を「申請予定」と回答したのは50・3%。申請しない人の28・6%は「返済義務があるため」が理由だった。

 自由記述では奨学金について「無利子なら借りている」「給付型を望むが、せめて無利子に」「申し込み手続きが複雑過ぎて時間がかかり大変。結果が出るのが遅すぎて計画が立てられない」などの声があった。

 組合連合執行委員長の吉岡真史・立命館大経済学部特任教授は10~13年に総務省統計局消費統計課長を務めた。今回の調査結果を説明した記者会見で「学費の無償化は高校まで一定進んだが、大学では逆に後退している。個人的見解だが、医療と教育はより大きな公費負担をお願いしたい」と話した。

 ◇下宿生の6割がアルバイト

 下宿の1年生への仕送り額は入学後に落ち着いた6月で調査している。2025年度の7万7562円は前年度より2109円減少。家賃を引いて生活費に充てられる1日当たりの額657円は83円減った。いずれも過去最高だった額と比較すると、仕送り(1998年度11万6223円)は約7割、1日当たり(95年度2337円)は約3割の水準となった。

 仕送りだけでは生活できないため、アルバイトをする学生は多い。2025年度調査では下宿生(全学年)の61・4%がアルバイトをしており、平均月収は4万4103円だった。

 一方、自宅生も59・3%がアルバイトし、平均月収は4万7602円で下宿生を上回った。

 また、全体でアルバイト収入の使途(複数回答)をみると、交際・レジャー31・0%、日常生活費22・7%、クラブ・サークル20・4%、書籍代10・5%などだった。【太田裕之】

毎日新聞

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