タイミーを集団提訴 スポットワーク直前にキャンセル135件
短時間、単発の就労形態「スポットワーク」の契約を就業直前に破棄されたとして、20~60代の男女9人が21日、仲介大手「タイミー」(東京都港区)を相手取り、未払い賃金など計312万円を求めて東京地裁に提訴した。原告代理人の牧野裕貴弁護士によると、スポットワークの直前キャンセルを巡って仲介業者を相手に提訴するのは全国で初めてとみられる。
訴状などによると、9人は2021年10月~26年3月、予定していた仕事135件が就業先の都合で直前にキャンセルされ、賃金102万円が受けられなかったと主張。1人当たり10万~30万円の慰謝料も加えた。
スポットワークの直前キャンセルを巡っては、これまで労働者が就業先を相手に提訴したケースは複数あった。だが今回は、タイミーが手数料を受け取り、労働者と就業先のマッチングや賃金支払いに関与していることから、就業先の一方的なキャンセルを防止する高度な注意義務を負っているなどとして、同社を相手取ったという。
スポットワークは面接を経ずに短時間で求人と応募がマッチングされることから、厚生労働省は25年7月、「特段の合意がなければ、求人に労働者が応募した時点で労働契約が成立すると一般的に考えられる」との見解を公表している。
タイミーは取材に「現時点において訴状が届いておらず、事実関係の確認がとれないため回答を差し控えさせていただく」とした。
提訴に伴い、原告の一人である東京都の60代男性が都内で記者会見した。
男性は飲食店に長く勤務していたが、90代の母が寝たきりになって介護が必要になったことや、長時間の立ち仕事がきつくなったことから、22年にタイミーを通じたスポットワークを始めた。
これまで飲食店を中心に数多くの仕事をこなしてきたが、勤務開始の数十分前に突然メールが届き、キャンセルされたこともあったという。この時は報酬の6割程度が補償されたが、全く手当てされなかったケースも約30件ある。
男性は「短時間のため、金額は大したことないかもしれないが、5000円でも2、3日の食費にはなる。僕以外も泣き寝入りしている人がたくさんいる。少しでもワーカーの気持ちを分かってほしい」と語った。【蓬田正志】
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