「組織的な監視が機能不全」 小樽スキー場5歳児死亡で第三者委

2026/04/30 21:25 

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 北海道小樽市の朝里川温泉スキー場で2025年12月、当時5歳の男児がベルトコンベヤー式のエスカレーターに挟まれた死亡事故で、スキー場側が設置した第三者委員会は30日、調査報告書を公表した。整備・保守担当の現場責任者に設備の知見と安全管理を一任し、「組織的な監視や是正が機能不全に陥り、安全配慮という規範の認識・実践意識が経営層に欠けていた」とした。

 事故は25年12月28日午前10時ごろに発生。家族と訪れた男児が、駐車場とゲレンデを結ぶエスカレーターの終点で転倒し、ベルトの巻き込み口に右腕を挟まれ、窒息死した。調査ではスキー場総支配人ら計14人への聞き取りなどが行われた。

 報告書によると、エスカレーターは中国から19年に導入され、現場責任者は現地で講習を受けたが、不十分な情報と日本語訳のない取扱説明書を基に、運用を始めた。

 説明書では監視員の配置が求められていたが、事故当時、現場の乗降口に配置していなかったほか、男児の腕が挟まりそうになった際に緊急停止するはずの安全装置が、降雪時のセンサーの誤作動などを回避するために無効化されていた可能性が指摘された。

 複数の安全装置の無効化が現場責任者の独断で常態化していたとみられ、「経営層は過去に重大事故がないという実績から安全装置が健全に機能していると判断した」とした。【高橋惇太】

毎日新聞

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