再審見直し法案、提出に前進 抗告「原則禁止」記載で法務省軟化
確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直し法案を巡り、法務省が再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を「原則禁止」とする記載を法案の付則ではなく、本則に格上げする方向で検討を始めた。政府・与党関係者が取材に明らかにした。自民党内で反対してきた議員側が求める内容で、3月の審査開始から紛糾する議論が法案提出に向けて前進する可能性が出てきた。
法務省案に反対してきた議員側は当初、検察官抗告の全面禁止を求めてきたが、今国会への法案提出断念を回避しようと、7日の自民法務部会などの合同会議で双方が歩み寄りを見せるよう潮目が変わった。ただし、本則化しても検察が抗告できる余地は残り、自民内で反対意見が出る可能性もある。
抗告は再審開始決定だけでなく、保釈許可など裁判所が通常審で出す決定にも規定があり、刑事訴訟法は一方にだけ抗告権を禁じることを想定していない。このため法務省は本則で抗告を原則禁止にすれば刑事司法全体に影響する恐れがあるとして、7日の会議には付則の記載にとどめる再修正案を提示した。
付則では「検察官抗告をしてはならない」と原則を明記する一方、「十分な理由がある場合はこの限りではない」と例外的に抗告を認めた。法律の付則は施行期日など付随的な要素が記載されることが多く、議員からは「本則でなければ実効性が担保されない」などと反対意見が相次いだ。このため鈴木馨祐・司法制度調査会長が今後の対応を預かり、法務省と内閣法制局との間で最終調整を進めている。
関係者によると、再修正案の付則のように本則でも検察官抗告を「原則禁止」とするには、現行法の本則の変更や調整が必要になる。現行法は再審開始決定だけでなく、再審開始の棄却決定にも抗告できると規定しており、どのように記載するか具体的な検討が法務省で始まったという。双方に抗告権を認めた通常審には影響を与えないよう、整合性を検討しているとみられる。
政府は内閣法制局の審査を受けた上で、検察官抗告の原則禁止を本則化した案を来週にも自民側に示すスケジュールを想定している。自民側の了承が得られれば閣議決定を経て法案が国会に提出される。【巽賢司、岩本桜】
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