クルーズ船「にっぽん丸」35年の歴史に幕 地球133周分航海

2026/05/10 15:26 

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 60万人以上の客を乗せて地球133周分の航海をしてきたクルーズ船「にっぽん丸」が10日、35年の歴史に幕を閉じた。最後の入港を果たした横浜港の大さん橋国際客船ターミナル=横浜市中区=には多くのファンが詰めかけ、「おかえりなさい」「ありがとう」と旗を振り、別れを惜しんだ。

 にっぽん丸は商船三井のクルーズ船で、1990年に就航。国内外400以上の港に寄港し、レジャークルーズ船の先駆けとして、累計530万キロを運航してきた。

 この日は午前8時すぎに入港し、ターミナル屋上で引退セレモニーが開かれた。内田幸一船長は「1泊から世界一周まで、何度もお客様と感動を分かち合った。にっぽん丸での経験すべてが宝物」と感謝を述べた。

 見届けたファンの思い出はさまざまだ。「引退は悲しいけど、ありがとうと伝えたくて来ました」。小学6年の瀬之上綾音さん(11)=東京都中央区=は4月の乗船時に購入したぬいぐるみや手製のうちわを手に、「クルーが優しくて、良い思い出になった」と笑顔で振り返った。

 園部ニコルさん(56)と黒尾智恵子さん(57)はそれぞれ佐賀県、名古屋市から前泊してセレモニーに駆けつけた。2人は35年前、国の国際交流事業「世界青年の船」で乗船し、60日間を船上で共に過ごした。黒尾さんは「お互い若かったね」と白い船体を見つめ、「人生の岐路になった旅。かけがえのない仲間にも出会わせてくれた」とねぎらった。【神内亜実】

毎日新聞

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