2024年の記録的高温、自然変動なら1000年に1回の異常事態

2026/05/12 04:00 

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 人為的な地球温暖化がなければ、2024年の「最も暑い1年」は1000年に1回起きるかどうかという異常事態だったと、米ペンシルベニア大のマイケル・マン博士らの研究チームが米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。トランプ米大統領が人為的な温暖化を否定し、温暖化懐疑論は再燃している。記録的な暑さの原因が自然変動か人間活動かという論争を「決着させるために分析した」という。

 ◇記録的高温は自然変動の範囲内か?

 世界気象機関(WMO)によると、24年の世界平均気温は産業革命前に比べて1・55度上昇し、パリ協定が掲げる目標「1・5度以内」を単年で初めて上回った。一方で、太平洋赤道域東部の海面水温が高い状態が続く「エルニーニョ現象」が23~24年に発生した影響もあり、記録的高温は自然変動の範囲内ではないかという意見もある。

 研究チームは、過去のエルニーニョ現象時の気温や、コンピューターで気温変化を再現する気候モデルなどを再評価した。

 ◇自然変動だけで高温になる確率は低い

 その結果、エルニーニョ現象が24年の記録的高温を起こす確率は約12%にとどまり、人類が大量の温室効果ガスを排出しない限りほぼあり得ない出来事だったと結論づけた。また、自然変動だけでこの高温が起こる確率を試算すると、約900~2000年に1回という極めて低い確率に相当する0・05~0・11%にとどまることも分かった。

 マン博士は、樹木の年輪などをもとに過去1000年以上の気温変化を調べ、近年の急激な温暖化が太陽活動などの自然変動ではなく人間活動が原因と報告するなど世界的に著名な気候科学者だが、温暖化の否定派や懐疑論者から再三攻撃を受けてきたことでも知られる。

 チームは「現在の気候モデルは温暖化を正確に評価している」とし、それに基づいた政策を遂行するよう訴えている。【田中泰義】

毎日新聞

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