「つながりはお守りに」 佐賀関火災半年、市民が守る地域の交流
大分市佐賀関の大規模火災から18日で半年。被災地では住民らが、地域のコミュニティーを維持しようと奔走している。
「いらっしゃいませ」「久しぶりやね、元気やった」。住宅の解体が進む被災地近くの公民館に今年2月、1軒の「喫茶店」がオープンした。エプロン姿で店頭に立つマスターの渡辺忠孝さん(65)が常連の一人一人に声をかけ、店内では世間話に花が咲く。
店の名前は「関ばっくす」。市営住宅などで離れて暮らす被災住民らに、「佐賀関にBACKして(帰って)ほしい」との思いを込めて名付けた。2025年11月18日に発生した火災で自宅の被災はまぬがれたものの、10日間ほど地域の市民センターに開設された避難所に身を寄せた。
避難所では、支援者に用意してもらったコーヒーメーカーで避難者らに温かい一杯を振る舞った。精神保健福祉士として精神科病院で働いた経験もあり、不安を抱える住民らの相談にも乗っていたという。
自宅に戻ってからも「何もしないわけにはいかない」と毎日のように避難所に通った。避難所の閉鎖後も、住民から「温かい一杯」を求める声が上がり、土日祝日と毎月18日に店を開け、被災地域の住民らにコーヒーやお菓子を無料で提供する。
渡辺さんは「この地域に残る人と、火災で地域を離れて避難している人をつなぐ場所にしたい」と語り、復興が進み、離れて暮らす住民が戻ってくるまで店を続けようと決意している。
また、高齢者の多い被災者が、佐賀関に戻る交通手段を確保するボランティアも始まった。佐賀関の社会福祉法人など5団体は2月から、持ち回りで車を出し、住民が仮住まい先から、地域の交流拠点を訪れる際の送迎をしている。
支援を取りまとめる地域団体「佐賀関連絡会」の宮田太一郎さん(45)は「『つながりはお守り』と言われるように安心感につながっていく。地域全体としてのつながりが生まれ、それが被災者支援にもなれば」と期待を込める。【山口泰輝】
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