裁判長「重大損害の恐れなし」 女子御三家「桜蔭」隣にタワマン

2026/05/18 19:51 

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 隣接地にタワーマンションが建設されれば教育環境が悪化するとして、中学受験で最難関とされる「女子御三家」の一つ、桜蔭中学校・高等学校(東京都文京区)を運営する学校法人が、都に建設計画の許可差し止めを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、訴えを却下した。篠田賢治裁判長は「重大な損害が生じる恐れが認められない」と理由を述べた。

 判決によると、計画では隣接地にある8階建てマンションを取り壊し、新たに20階建てのタワマン(高さ約70メートル)を建設する。一帯は都市計画で建築物の高さが46メートル以下に規制されているが、マンション管理組合側は一般の人が自由に出入りできる「公開空地」を設けることで制限が緩和される制度を活用。2022年7月に計画許可を申請し、都が審査している。

 最高裁の判例では、将来の不利益を防ぐために行政処分を事前に差し止めるには、事後的には救済が難しい「重大な損害が生じる恐れ」が認められることが要件となる。学校側は、日照の悪化▽のぞき見される危険性▽工事で境界にある高さ7~8メートルの擁壁が崩壊すれば生徒らに危険が及ぶ――と主張したが、判決は計画許可後に訴訟を起こすことなどで救済が可能とし、訴えは不適法と結論付けた。

 中高一貫の桜蔭は、東大合格者を輩出する全国屈指の進学校。約1400人の生徒が通う。運営法人は控訴するかは検討中とし「大変残念です。生徒、教職員の安全と学習環境を守るためにできることをしていく」とコメントした。

 東京都は「主張が認められ、妥当なものと受け止めている」とした。【安達恒太郎】

毎日新聞

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