高性能レーダー近くで竜巻発生→詳しいメカニズムが判明 気象研
2025年9月に茨城県つくば市で発生した竜巻は、積乱雲から吹き下ろした冷気が地表付近で水平に吹き出す「ガストフロント」同士の衝突によってできたとの調査結果を、気象庁気象研究所の研究チームがまとめた。
竜巻は局所的に短時間で起きるため観測が非常に難しいが、この竜巻は、気象研の高性能レーダーから数キロ圏と近い場所で起きたため、詳しいメカニズムが分かったという。
つくば市や境町など茨城県内で25年9月18日、複数の突風が発生。建物や大型クレーンが倒壊するなどの被害が出た。このうちつくば市の突風について、水戸地方気象台と気象研は竜巻と認定。強さを6段階で示す改良藤田スケールは、下から2番目の「JEF1」だった。
気象研は、わずか約30秒で大気の構造を立体的に把握できる「フェーズドアレイレーダー」を15年から運用している。このレーダーによるデータを詳しく解析したところ、離れた場所にある二つの大きな積乱雲から、それぞれガストフロントが発生して衝突し、その境界で複数の大気の渦ができていた。
この渦が積乱雲によって上空に引き伸ばされ、竜巻に発展したことが分かった。竜巻の発生場所は、建物被害があった場所とよく一致していた。
竜巻ができるメカニズムは、積乱雲の中でできた渦が地表に下りる「上から下」だと考えられてきた。しかし今回、地表近くの渦が上空に引き伸ばされる「下から上」だったことが判明。気象研台風・災害気象研究部第4研究室の足立透室長は「竜巻がこれほど近くから詳細に測れたのは珍しい。発生メカニズムを解明し、予測に生かすことができる第一歩だ」と話した。
成果は13~15日にオンラインで開かれた日本気象学会春季大会で発表された。【酒造唯】
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