大飯原発の設置許可、取り消し認めず 住民側逆転敗訴 大阪高裁

2026/05/28 14:03 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 福井県や近畿地方の住民が、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の国の設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(川畑正文裁判長)は28日、許可取り消しを命じた1審・大阪地裁判決(2020年12月)を見直して、住民側の請求を棄却した。住民側の逆転敗訴となった。

 大阪地裁判決は11年の東京電力福島第1原発事故後に、原発の設置許可を否定した初の司法判断だったが、高裁で覆された。

 大飯原発3、4号機は1991~93年に営業運転を開始した。原発事故を受けて厳格化された新規制基準に17年に適合しているとされ、18年から再稼働している。

 訴訟では、原子力規制委員会による新基準に基づいた安全審査の妥当性が取り上げられ、耐震設計の目安となる「基準地震動」(原発運転中に発生しうる最大の揺れ)の設定を適切にチェックできたかが争われた。

 1審判決は、関電による基準地震動の策定プロセスに着目。関電が計算式から算出した地震規模は平均値に基づくものであり、平均値より大きな地震規模になる「ばらつき」が考慮されていないとした。

 それにもかかわらず規制委が大飯原発の審査で、ばらつきに基づく補正をする必要があるかを検討していなかったとし、こうした規制委の調査審議や審査の判断の過程には「看過しがたい過誤、欠落がある」と判断。国の設置許可は違法だったと認めた。

 国側は基準地震動の評価は十分だとし、ばらつきを考慮する具体的な方法は「規制委の専門性に委ねられており、尊重されるべきだ」として控訴していた。

 大飯原発は3号機が現在稼働中で、4号機は3月から実施していた定期検査を終えて6月の営業運転再開を目指している。【斉藤朋恵】

毎日新聞

社会

社会一覧>